健康運動指導士が解説【運動するなら絶対見て!体組成に合わせた効果的なトレーニング】
2023年5月26日
健康 ダイエット体組成健康維持運動こんにちは、管理栄養士 兼 健康運動指導士のきつねです。新型コロナウイルスの影響により、ここ数年で、私たちの生活スタイルはがらりと変化しました。日々の運動や体型に関するお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
健康管理や運動内容を決める1つの指標として重要とされている体組成測定ですが、フィットネスジムや健康診断、ご自宅でも測定できます。そんな体組成、測定して満足!となってしまっていませんか?
体組成測定結果の見方と、それに合わせた運動メニューを数回にわたりご紹介していきます。
今回は、体組成結果でわかる内容とその詳しい説明、目的に合わせた効果的な運動内容について紹介していきます!
目次
体組成測定とは?
体組成計とは、体重や体脂肪率だけでなく部位ごとの筋肉量や推定骨量、体水分量などがはかれる機械です。最近では、フィットネスジムなどに入会すると測定してもらえたり、自宅で簡易に測定できるものも販売されています。
体組成測定が必要な理由
同じ身長・体重でも脂肪量が多い人、筋肉量が多い人で見た目や健康リスクも変わってきますし、運動メニューも変わってきます。
例えば、脂肪量・筋肉量どちらも多く、ダイエットが目的の人が筋トレ中心の運動をしても、体重減少に結び付くまで結構な時間がかかってしまい途中で嫌になってしまうことが多くあります。
逆に脂肪量が比較的多めで筋肉量が少なく、ダイエットが目的の場合は、まずは筋トレで筋肉を増やすことで、有酸素運動の効果を高めダイエットの近道になる方もいます。
このように、ご自身の体型に合わせて運動内容やお食事の内容を決めていくことが、目標達成において重要なポイントなんです。
測定できる項目
・体重
・BMI
・体脂肪率
・脂肪量
・除脂肪量
・筋肉量 (四肢骨格筋量)
・体水分量
・推定骨量
・基礎代謝量
・内臓脂肪レベル
など多くの項目が測定でき、機械によってはたんぱく質量、アスリート指数、脚点(脚部筋肉量点数)なども測定できるものがあります。
測定結果の見方
※測定する体組成計の種類によって測定結果や結果の出し方などが異なることがあります。
体重/BMI
BMIは「体重(㎏)/身長(㎡)」で計算され、低体重や肥満の指標となる値。計算方法は世界共通ですが肥満の判定基準は国によって異なります。日本では、BMIが18.5~24.9になる値が標準範囲とされており、BMI”22”が疾病が少ないと言われています。18.5以下は低体重・24.9以上は肥満と分類され健康リスクが高い状態です。
脂肪量/体脂肪率
脂肪量は、体内に占める脂肪組織を重量で示したもの。体重に対して脂肪がどれだけあるか、割合で示したもの。体脂肪率は年齢・性別によって適切な割合が異なります。
なお、体脂肪率は体重や筋肉量の増減によって大きく変化するため、比較には脂肪量が適しています。
体組成計では、直接体脂肪の重さを量っているわけではなく、「脂肪は電気を通しにくく、筋肉は電気を通しやすい」という特性を利用して、体内に流した微弱な電流への電気抵抗値(電流の流れにくさを示した値)とユーザー情報と体重から体組成を推定しています。
徐脂肪量
体重から脂肪を除いた重量。(あまり気にしなくていい数値です。)
筋肉量
姿勢を保ったり心臓を動かしたりしている筋肉組織の重さ
体幹部、右腕、左腕、右脚、左脚とそれぞれの部位ごとの筋肉量が測れるものもあります。各部位の筋肉量を知ることで、トレーニングが必要な部位が明確になります。
また、テニスなどの片側の筋肉を多く使う運動を長期的にしている方は筋肉量に左右差が出てきます。そのような運動をしていない・怪我や痛みが無いにも関わらず筋肉量に左右差がある場合は、カラダの歪みや姿勢の崩れなど何かしらの原因があることが多いです。出来るだけ左右対称の筋肉量を維持できるよう必要なトレーニングやストレッチをしていく必要があります。
体水分量
体水分とは、体内に含まれる水分の事で、血液、リンパ液、細胞外液、細胞内液などをいいます。体水分は栄養を運搬したり、老廃物を回収したり、体温を一定に保つなど体にとって重要な働きがあります。
なお、体水分率は体重に占める体水分量の割合のこと。
体水分率は女性よりも男性の方が高い傾向にあり、加齢とともに減少する傾向が見られます。体脂肪率が適正範囲にある人の体水分率は、男性が約55~65%、女性が約45~60%とされています。
基礎代謝量
さまざまな生命活動(呼吸をする、心臓を動かす、体温を保つなど)のために常に使っているエネルギー量。
基礎代謝量は「生きていくために最低限必要なエネルギー」のことで、肉体的・精神的に安静であるときに、臓器がわずかに活動している状態の時に消費するエネルギー量です。脂肪を除いた体組織中で基礎代謝のエネルギー消費が最も多いのが骨格筋です。筋肉を鍛えることが基礎代謝を上げることに繋がります。基礎代謝量は筋肉量だけでなく、年齢、性別によって異なります。
推定骨量
骨全体に含まれるカルシウムなどのミネラルの量を「骨量」といいます。推定骨量は、除脂肪量(脂肪以外の組織)との相関関係をもとに統計的に推定した値を使われることが多く、「推定骨量」は「骨密度」とは異なり、骨の硬さ、強さ、骨折の危険性を直接推定するものではありません。
内臓脂肪レベル
内臓脂肪の蓄積の状態を内臓脂肪レベルとして表示したもの
内臓脂肪とはお腹の内側にあって、つまむことの出来ない部分の脂肪です。内臓脂肪の蓄積は生活習慣病のリスクを増加させます。
測定するおすすめのタイミング
体組成計は体内の水分量が大きく測定結果に影響してしまうため、運動後や入浴後では正しい測定結果が出ない可能性があります。また、出来るだけいつも同じ時間や条件で測定できると変化が正しく反映されます。なお、ご自宅で測定する場合は朝起きてトイレに行った後、朝食前の測定が適しています。
また、強度の高い運動をした次の日などは筋肉量が低く出ることもあります。(これを筋肉の超回復といいます)
測定するのにおすすめなタイミング
- 運動や入浴前
- 食後すぐは避ける
- 前日のトレーニングは軽めにする
体組成計の結果を元に目標を設定する
実際に体組成を測ったら、結果を元にご自身の理想のカラダに向けて目標を決めていきましょう。
目標を決めるにあたって、特に重要な項目は【BMI】【脂肪量】【筋肉量】の3つです。それぞれ測定結果と身長や性別、年齢に合わせた標準範囲を見比べて、目標を設定しましょう。
※標準範囲が記載されていない場合は、測定した体組成計の説明書やホームページの記載を参考にして見てください。
脂肪量減少を目的にする(筋肉量は維持、または減少)
一般的に適切な運動をせず、体重減少する際には脂肪量と筋肉量が半々ずつ落ちると言われています。
筋肉量は維持しつつ脂肪量減少を目指す人は、スクワットや腹筋、腕立て伏せなどで主要な大きい筋肉を鍛えつつ、有酸素運動(ウォーキングやジョギング)を行うのが良いでしょう。有酸素運動を行う前に筋トレを行うことで脂肪燃焼の効果をアップさせます。
筋トレ(無酸素運動)とモモ上げや階段昇降などの有酸素運動を交互に行うサーキットトレーニングも有効です。
脂肪量・筋肉量ともに標準範囲以上の方は、有酸素運動をメインに取り組めると効果的です。
筋肉量増加を目的にする(脂肪量は維持)
女性では、筋肉量が少ないため体脂肪率が高く出る方もいらっしゃいます。
このような方が脂肪を減らそうと有酸素運動ばかりやっていても、上記の通り筋肉量も落ちてしまうため基礎代謝が下がり逆に痩せづらいカラダになっていってしまいます。
筋トレを習慣化し筋肉量を増加させ、余裕があればサーキットトレーニングなども追加していきましょう。
まとめ
理想のカラダを目指すには現在のカラダの状況を知ることが大切です。
今回は体組成の見方や適切なトレーニングについて簡単にご紹介しました。
今後は、それそれの目的に合わせたトレーニング方法やお食事の取り方についての記事も書いていきますので、参考にしてみてくださいね。